牧野信一「悲しき項羽」

秦を滅ぼし、覇王として君臨しながらも、孤独と虚無感に苛まれる項羽の心情を描く。
老臣・范増の諫言、愛馬・騅と悲壮な運命へ向かう姿に作者の孤独感が投影されている。
1919(大正8)年発表。

【出演】
語り 内海祐紀
項羽 武田慎太郎
范増 出先拓也
侍臣  山川琴美

岡本かの子「真夏の幻覚」

灼熱の太陽を浴びながら働く工夫たちの中で、ひときわ若い新吉が作業中に高所から落ちてしまった。
入院中のベッドで彼がその時感じたものとは…。

うだるような暑さの中で筆者が描く色鮮やかな筆致は目くるめく妄想の世界へと誘って…。
初出:1939年

■出演
語り  山川琴美
男   出先拓也
新吉  武田慎太郎

山本周五郎「ひとごろし」

福井藩きっての臆病者・双子六兵衛が罪を犯して逃亡した剣豪・仁藤昂軒を討つため「ひとごろしー!」と大声で執拗に追い回す、前代未聞の心理戦を描いた痛快時代小説。
刀では勝てない弱者が精神攻撃で敵を追い詰める「上意討ち」の妙味は高く評価され、植木等、松田優作などが出演し、何度も映像化。

【出演】
双子六兵衛 武田慎太郎
仁藤昂軒 出先拓也
およう 山川琴美
語り 内海祐紀

芥川龍之介「蛙」

古い池に暮らす蛙たちは、「世界はすべて自分たちのためにある」と信じて疑わない。
世界を自分中心に捉える姿を通して、思い込みや身勝手さを鋭く描いた、芥川龍之介の風刺寓話。

■出演
蛙1  武田慎太郎
蛙2  出先拓也
蛙3  山川琴美
蛙4  武田慎太郎
若蛙  山川琴美
ヘビ  山川琴美
語り  内海祐紀

久生十蘭「水草」

「私」が俳友にすすめられるまま一杯頂こうとした際、その友人の言ったある言葉に違和感を感じて…。

日常に潜む密かな狂気を描いた短編ミステリー。

・初出1947(昭和22)年

【出演】
私 出先拓也
石亭 武田慎太郎
女中 内海祐紀

今昔物語集から「小野篁」と「安倍晴明」の話

平安時代後期に成立した日本最大の説話集より
冥界と所縁ある公卿・小野篁
陰陽師・安倍晴明のエピソード

【出演】
語り 大森陽太
小野篁・安倍晴明 こがめみく
閻魔大王ほか 松坂依弦
藤原良相ほか 皆月希乃花

山川方夫「歪んだ窓」

心を病んだ妹と、妹を看病する美しい姉の物語
ある雨の日、妹は姉の為、ある決意をする。
初出:「龍生」1963(昭和38)年7月号

【出演】
語り:大森陽太
妹:こがめみく
姉:皆月希乃花
佐伯:松坂依弦

佐藤春夫「私の父が狸と格闘をした話」

私の故郷、紀州新宮で初めて自転車に乗ったのは父であった。
そんな父がある夜、自転車を壊して帰ってきた。
父にケガは無かったのだが翌日、学校で昨夜、父が狸と相撲を取っていたという話が…。

■出演
私N 中澤まさとも
私子供 五十嵐由佳
父 出先拓也
母 大島由莉子
登坂 林佑樹
老婆 平居正行
女性 五十嵐由佳
少女 大島由莉子

リング・ラードナー「微笑がいっぱい」

1920年代「ジャズ・エイジ」のアメリカで絶大な人気を誇った作家の好短編。
サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』でも登場。
陽気な交通警察官が美しいスピード狂の女性と出会い、魅せられていく。
【出演】
語り:皆月希乃花
ベン・コリンズ:松坂依弦
エディス・ドール:こがめみく
交通違反の男:大森陽太

小川未明「お母さんはえらいな」

お腹の弱い勇ちゃんは、いつも果物が食べられず不満でした。
そんなある日、果物の入ったパイをもらったとき、家族で分けて食べようとするのですが…。

■出演
勇  皆月希乃花
兄  大森陽太
姉  こがめみく
母  松坂依弦
語り こがめみく

原民喜「誕生日」

雄二の誕生日が近づいてきました。
ちょうどその日は学校の遠足の日で、雄二はお天気になるのかをずっと気にしていました。
当日は澄んだ秋空の下、姉からもらった小さな鈴をポケットに入れて遠足へ出かけます。
紅葉や鈴の音を通して、少年の繊細な感覚や心の動きがやさしく描かれた秋の一日を静かに綴った短編。

■出演
雄二 こがめみく
理容師 大森陽太
客・姉 松坂依弦
語り 皆月希乃花

狂言「入間川」

大名と家来の太郎冠者が国もとへ帰る途中、入間川に到着。
”入間には、言葉を反対の意味に捉える「入間様(逆さ言葉)」がある”
と聞いていた大名は、土地の男の言葉を勘違い。
室町時代の中期(15世紀中期頃)に成立していたと言われる古い演目。

【出演】
大名 中澤まさとも
太郎冠者 五十嵐由佳
入間何某 出先拓也

グリム兄弟「おおかみときつね」

むかしむかし、きつねを従えているおおかみがいました。
横暴で欲張りなおおかみは、事あるごとにきつねへ色々な命令をしていました。
ですが、自分勝手な振る舞いのおおかみから早く逃れたかったきつねは
貪欲なおおかみの性格を上手く利用して…。

■出演
おおかみ  平居正行
きつね   大島由莉子
母羊    五十嵐由佳
農家の人  林佑樹
語り    出先拓也

吉田甲子太郎「星野くんの二塁打」

選手権大会出場を決める試合中、星野くんは見事逆転二塁打を放つが…?
道徳の教科書にも掲載されていた集団のルールと個人の誠実さを問う物語。

【出演】
星野 五十嵐由佳
喜多 大島由莉子
別府 中澤まさとも
語り 出先拓也

小川未明「生きている看板」

働かずにぶらぶらと日々を過ごすペンキ屋の兵蔵。
ある日、町の老舗菓子屋から、看板に誰もが振り向くような美人を描くよう依頼される。
美しい女性の絵を描き上げた彼は、なぜかその頭にあるものを書き加えて…。

■出演
兵蔵       林佑樹
女房・人々1   五十嵐由佳
菓子屋の番頭   平居正行
菓子屋の主人   出先拓也
近所の人・人々2 中澤まさとも
語り・人々3   大島由莉子

夢野久作「三つの眼鏡」

母を亡くした寂しさを紛らわしているうちに、どんどんいたずらがひどくなった武雄。
あまりのひどさに怒ったお父さんはとうとう彼を蔵に閉じ込めてしまう。
一人寂しく過ごす彼がその中で見たものとは…。
初出: 「九州日報」1922(大正11)年12月

■出演
武雄  林佑樹
祖母  五十嵐由佳
姉   大島由莉子
父   平居正行
母   五十嵐由佳
語り  出先拓也

織田作之助「天衣無縫」

戦後の無頼派作家・織田作之助が、お見合いで結ばれた男女の飾らない日常を描く。
大阪の風土を感じさせる軽妙な語り口で、人間味あふれる夫婦像を鮮やかに写し出した作品。
1942年発表。

【出演】
政子 五十嵐由佳
軽部 平居正行
父 林佑樹
母 大島由莉子
八木沢 中澤まさとも

菊池寛「マスク」

1920年ごろ、スペイン風邪が流行っていた。
心臓の弱かった私は、予防法としてマスクを常に着けていた。
それ以外にもうがいや手洗いなど…。
そして脅威が去り始めた時にはようやくマスクを外して活動をするのだが…。

100年ほど前に猛威を振るっていた感染症への恐怖や怯えなどがありのままに描かれ、その様子は現代のコロナ過にも通じるものがあると言える。

■出演
私  柏士文
医者 鈴木将之

山川方夫「箱の中のあなた」

Amazon.co.jp: 箱の中のあなた ――山川方夫ショートショート集成 (ちくま文庫 や-61-1) : 山川 方夫, 日下 三蔵: 本

都会から来た好青年と観光地に住む三十女。
カメラのレンズを通し、女は初めて男を所有した。
1960年『ヒッチコック・マガジン』発表。

【出演】
語り 出先拓也
男 鈴木将之
女 山川琴美

小泉八雲「生霊」

昔、画奴隷雁島に喜兵衛という金持ちの瀬戸物店があった。
彼は六兵衛という番頭の力もあり、大変繁盛していた。
そんなある日、そこで働く六兵衛の甥が病に倒れて…。

■出演
六兵衛  柏士文
甥    鈴木将之
喜兵衛  出先拓也
妻   山川琴美
語り  藤本教子

島崎藤村「幸福」

幸福(しあわせ)は、ある日、貧しい姿になって家々を訪ねて歩くことにしました。
もしその姿の自分をそれでも迎え入れてくれる人がいたなら、その人の家に幸福を置いていこうと考えたのです。
初出:「婦人之友」1921(大正10)年1月

■出演
幸福:柏士文
犬の家の人・犬:出先拓也
鶏の家の人・鶏・兎:山川琴美
兎の家の人:鈴木将之
語り:藤本教子