長谷川伸「旅の里扶持」

江戸を追い出された噺家・林家正喬は、上州前橋へ。
そこで出会った芸人夫婦と一座を組むが、亭主は逃げ、残された女房も病の床についてしまう。
自称”江戸のへっぽこ真打より遥かに上”の正喬は、一人、稼ぎに出るが…?

【出演】
林家正喬/林家正蔵:中澤まさとも
蝶々屋とんぼ:出先拓也
江戸屋駒吉/お正:五十嵐由佳
宿の主:柏士文

宮沢賢治「ありときのこ」

ある日、いつものように蟻の歩哨が森の入口を見張っていると、見たことのない大きな建物が急に現れて…

ユーモア溢れる蟻目線の世界とともに、自然の繊細な情景も描かれた作品。

初出時表題:「朝に就ての童話的構図」

■出演

歩哨蟻:柏士文

伝令蟻:青山優子

子ども蟻1:藤本教子

子ども蟻2:真一涼

語り:平居正行

新美南吉「ひよりげた」

ある月夜、母さんたぬきは、ぼうやたぬきに化け方を教えようと外に出ましたが、甘えん坊のぼうやたぬきはお乳に吸い付いて離れません。
母さんたぬきはどうしたものかと…。
母と子のほのぼのしたやりとりに微笑ましさを感じられる短編。

■出演

母さんたぬき 青山優子
ぼうやたぬき 真一涼
語り     内海祐紀

太安万侶「古事記より仁徳天皇・雄略天皇」

現存する日本最古の歴史書より
聖帝と称された仁徳天皇の伝承「かまどの煙」
愛情深き雄略天皇の「赤猪子との約束」

【出演】
仁徳天皇+雄略天皇:中澤まさとも
赤猪子:内海祐紀
語り:出先拓也

H・G・ウェルズ「新加速剤」

私の盟友・ジバーン博士は数々の発明を成し遂げてきた。
そして彼はとうとう驚異の新薬を開発した!
その名は「新加速剤」
私は、彼とともに早速それを試した。
時間が足りないと嘆く現代人にとって、これは歴史的大発明となるのか、それとも…。
■出演
私 藤本教子
ジバーン博士 真一涼
警官 林佑樹
脚本:山川進

昔話「カニ寺」

むかしむかし、ある村の大きな池に、いつしかカニの化け物が住みつくようになった。
その化け物は、池にやってくる村人や、近くのお寺の和尚さんも食い殺し、池には誰も近づかなくなった。
ある時その話をひとりの和尚さんが聞いて…。

■出演
和尚:出先拓也
小僧:五十嵐由佳
化け物:平居正行
村人:武田慎太郎
村人たち:出先拓也、平居正行、武田慎太郎
語り:内海祐紀

ギルバート・K・チェスタトン「通路の人影」

アポロ劇場の楽屋裏、人気女優のオーロラ嬢が何者かに殺害される事件が起きた。
だが犯人の影を見たという証言者達の話をまとめると、容姿は皆バラバラ。
いったい誰が真実を述べているのか…。

推理ミステリーとして名高い「ブラウン神父」シリーズ。

■出演
ブラウン神父 …出先拓也

ウィルソン・シーモア卿 … 林佑樹

カトラー大尉 …平居正行

パトリック・バトラー …武田慎太郎

モンクハウス …中澤まさとも

ナレーション(NA)大島由莉子

☆脚本:山川進


山本周五郎「人情武士道」

平凡ながらも静かな落ち着いた日々を送る武士の妻の元に、姿を消した旧友が現れた。
やがて妻は、夫のある秘密を知り、あらゆる幸せが砂のように崩壊するのを感じ…。
1941年発表、人情味あふれる歴史・時代小説の巨匠の初期作。

【出演】
信子:五十嵐由佳
和枝:山川琴美
佐藤鉄之助:中澤まさとも
寺門市之進:武田慎太郎
大沼将監:林佑樹
語り:出先拓也

ウィリアム・フライヤー・ハーヴィー「炎天」

1901年8月20日、仕事が一段落したジェイムズは、炎天下に散歩へ出掛け、道中見かけた墓石の工房へと、なんとはなしに足を踏み入れた。
そこで、彼は世にも奇妙な出来事をそこで目の当たりにして…。

記録的な猛暑だった2023年。
当時も今も、気が狂いそうな暑さのなかで人は正気でいられるのか?

怪奇小説として名高い掌編。

◾出演
ジェイムズ…武田慎太郎
クリス…平居正行

⭐︎脚本:山川進

川上眉山「大さかずき」

1895年(明治28年)発表。
なみなみ注げば満五升。
猩々倒しと銘をうった大盃をさげ、市中を徘徊する男—―
盲いた老父と恋人を残し、米国に渡った出稼ぎ労働者の末路。

【出演】
梅吉:中澤まさとも
平作:林佑樹
お千代:内海祐紀
親分: 武田慎太郎
語り: 出先拓也

バルザック「グランド・ブルテーシュ奇譚」

 

ヴァンドームの街に滞在していた私は、ある古びた屋敷「ラ・グランド・ブルテーシュ」の付近をしばしば散策していた。
ある日、公証人と名乗る男から屋敷付近の散策について注意を受けた私は、その理由を尋ねてみると…。
人間心理を緻密に描く著者の名作短編。
■出演
私      鈴木将之
ルニョー   呉圭崇
宿屋の女将  内海祐紀
ロザリー   五十嵐由佳
メレ伯爵   出先拓也
メレ伯爵夫人 山川琴美
☆脚本:山川進

柳田国男「日本の昔話 海の水はなぜ鹹い」

柳田国男「日本の昔話 海の水はなぜ鹹い」

「遠野物語」で知られる日本民俗学の祖による、岩手県陸中・上閉伊郡の話。
海の水が辛い理由は、昔々、ある所に住んでいた、欲張りな兄とその弟にありました。

【出演】
兄:藤本教子
弟:山川琴美
爺:内海祐紀
女房・小人:真一涼
語り:大島由莉子

落語「芝浜」

酒でしくじってばかりの熊五郎。生業の魚屋も休み続きでグータラしてたら女房に日も上る前から叩き起こされて…。
古典落語の名作として名高く、映像化もされている。

【出演】
熊五郎    柏士文
女房     藤本教子
ナレーション 出先拓也

☆脚本:山川進

ドーデ「風車小屋だより アルルの女」

風車小屋だより (岩波文庫 赤 542-1) | ドーデー, 桜田 佐 |本 | 通販 | Amazonプロバンスを舞台にした24の短編小説より。
豪農の息子ジャンは、アルルの闘牛場で出会った女に心を奪われるが、女はある男の情婦だった。
1872年、ジョルジュ・ビゼーの音楽を付して上演。

【出演】
語り: 呉圭崇
ジャン: 鈴木将之
父: 平居正行
母:大島由莉子
男:出先拓也
御者:柏士文

田中貢太郎「酒友」

大酒飲みで貧乏な男・車(しゃ)の布団に潜り込み、飲み友達になった狐との友情。
清の時代の中国の怪異小説集「聊斎志異」(蒲松齢・著)からの翻訳とみられる。

■出演
車  出先拓也

狐  真一涼

語り 山川琴美

グリム童話「わらと炭と豆」

食事の支度をしているおばあさんのお鍋から一粒豆が転がって落ちました。
その豆は同じく運よく逃げられた炭とわらと出会い、三人で連れ立って旅に出ることにしましたが…

■出演

わら / 仕立屋:平居正行

炭:内海祐紀

豆:真一涼

おばあさん:藤本教子

語り:五十嵐由佳

泉鏡花「夜行巡査」

照葉狂言・夜行巡査ほか―泉鏡花〈1〉 (読んでおきたい日本の名作) | 泉 鏡花 |本 | 通販 | Amazon

明治28年(1895年)発表。
泉鏡花の名を文壇に知らしめた初期代表作。

職掌を重んじるあまり邪見非道と噂される八田巡査には、お香という思い人がいた。
しかし、二人は、お香の伯父の反対により、夫婦になれずにいた。
伯父が彼を拒絶する理由とは…?
ああ、恋は命なり。

【出演】
八田義延:鈴木将之
お香:五十嵐由佳
お香の伯父:呉圭崇
女:大島由莉子
若者:柏士文
語り+老車夫:出先拓也

昔話「ヘビの魔法」

昔々、ある兄妹がいました。兄は意地悪で欲張り、妹は美しくて優しい娘でした。
父親が亡くなった時も、兄は財産を全て自分のものにしてしまい、妹には何一つ分け与えませんでしたが、それでも妹は兄を恨むことなくけなげに生きていました。
すると、それさえも疎ましく思った兄は…。
アフリカのタンザニアに伝わる昔話。
■出演
兄    平居正行
妹    真一涼
王子   鈴木将之
王    出先拓也
王妃   大島由莉子
ヘビ   内海祐紀
ヘビ2  出先拓也
ヘビ王  中澤まさとも
ヘビ妃  五十嵐由佳
召使   山川琴美
語り   藤本教子

佐々木邦「一年の計」

愛飲家・片岡君は、元日からの禁酒を決意するが…?
佐々木邦は日本におけるユーモア作家の草分け。
1936年ユーモア作家倶楽部を結成。
1937年「ユーモアクラブ」を創刊しユーモア文学の発展に尽力。
初出:「面白倶楽部」1926(大正15)年1月。

【出演】
片岡:中澤まさとも
細君:大島由莉子
津田:鈴木将之
女中:真一涼
語り:出先拓也

ギッシング「詩人の旅行かばん」

思いがけずささやかな遺産を得た僕。
だが、その金も底を尽き、わずかな現金とみすぼらしい旅行鞄を持って、ロンドン行きの列車に乗った。
かばんには、僕の10か月の成果「山の隠者」というタイトルの詩集の原稿が入っている。
僕の未来はこの原稿にかかっていたー。

■出演
詩人    中澤まさとも
若い女   真一涼
貴婦人   内海祐紀
下宿の大家 大島由莉子

☆脚本:山川進

堀辰雄「羽ばたき Ein Marchen」

1931年初出。
宮崎駿作品にも影響を与えたファンタジー短編。
2人の少年ジジとキキは「魔女の宅急便」のキャラクター名のルーツ。

【出演】
ジジ:山川琴美
キキ:大島由莉子
ジジの母:五十嵐由佳
髭の男:藤本教子
語り:内海祐紀